モノづくりの裏話。ルールを作ったのは誰?

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こんにちは、アリスです。

今日は日本のモノづくりに関するお話です。

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モノづくり大国ニッポン

日本のモノづくりが世界的に非常に高度なレベルにあることはみなさんもご存知だと思います。

飛行機や車、ロボットや精密機器はもちろん、食品や薬、文房具から半導体まで

“MADE IN JAPAN”ブランドは世界中で認知されています。

日本人が、もともと持っている手先の器用さや勤勉な気質、チームで仕事を進める協調の文化が功を奏し

戦後には凄まじい経済成長を遂げ、先進国の地位を確立することができました。

安心と信頼のJISマーク

そんな日本のモノづくりに欠かせないのがJISマークです。

みなさんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

意外と、生活品のありとあらゆるものに付いています。

例えば、チャイルドシートやヘルメット。衣類乾燥機や電子レンジなど。

とっても身近ですよね。マークの印字はなくとも、基準をクリアしなければ市場に出すことはできません。

 

JISとは、Japan Industrial  Standardsの略で、訳は日本工業規格。

1949年に第一号が制定された、鉱工業に関する国家規格です。

工業標準化法にもとづいて、「日本工業規格(JIS)の制定と日本工業規格(JIS)との適合性に関する制度」により運用されています。

シンプルに言うと法律で規定されてるよ、ということです。

 

何のためのJISマーク?

工業製品の多くには「標準仕様」や「規格」という考え方があります。

例えば、電池の例を見てみましょう。

電池は、形状で言えば、単1形から単6形、9V形やボタン型電池。

機構の違いで言えば、アルカリ乾電池、マンガン乾電池、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池など多種多様な規格があります。

これらは、JISにより、用語や記号、試験方法や分析・検査の合格値まで規定されています。

 

もし、電池の大きさや機能が、電池会社ごとに違っていたら、私たち消費者は困ってしまいますよね。

おもちゃの電池が切れたから取り替えようと思ったら、いつもより2mm大きい!とか

いつも通り使っていたのに突然発火した!なんてことになったら大変です。

もっと大変なのは、電池を搭載するおもちゃを作っている会社です。

例えば車のおもちゃだったら、電池の形状に合わせて車のボディを設計していますし

価格設定や、安全保証の考え方など一つ一つ決めているわけですから、電池会社の都合だけで仕様が変わってしまうと、全て作り直しになります。

そうすると、設備や人員配置、材料の購入ルートやコスト計算など、

会社の存続を左右するような大改造となってしまい、従業員や関係会社にも影響が及んでしまいます。

これは、全ての工業製品に言えることで、それぞれの製造者があまりにも自由に活動してしまうと、社会の混乱を招いてしまうのです。

このことから、

消費者や購入者を守り、取引をシンプルで公正なものとし、生産を合理化していく上で、

JISは、なくてはならないルールです。国家単位で取り組むべき理由も明らかですね。

戦後は混沌としていた日本のモノづくり

日本のモノづくりは、現在では世界トップレベルと言われていますが、その地位を確立したのはここ最近の話なのです。

戦後、焼け野原になった日本はモノがなく、とにかくどんどん作って復興しなければなりませんでした。

作る側も買う側も、安全性や合理性は二の次。

作れば売れるといったプロダクトアウトの時代で、当時、MADE IN JAPANの製品は「安かろう悪かろう」と欧米から酷評されたそうです。

そんな中、1950年にデミング博士という人が来日しました。

彼は、アメリカの連邦国勢調査局の統計学者で、第二次大戦中には軍属として軍需品の製造問題の解決にあたっていたそうです。

軍需品と言っても、デミング博士が主に携わっていたのは、ラジオなどの放送・通信機器であったようですが。

デミング博士は、勤勉な日本人に敬意を払い、高品質なものができて輸出が拡大すれば、国を豊かにできる、と説きました。

聴講者は大いに感動し、デミングの手法を取り入れ、よりよいモノを作っていくことが可能になったのです。

それ以降、日本のモノづくり品質は飛躍的に向上し、良いものを選んで買うというマーケットインの考え方に変わっていきました。

消費者側も成長したということですね。

日本のモノづくりの成長を語る上で、デミング博士はなくてはならない存在だったと言えます。

 

より大きな目的

さて、ここまでは日本国内に焦点を合わせて日本のモノづくりを振り返ってみました。

では、対外的にはどうでしょうか。日本はモノづくり大国、すなわち貿易大国です。

当然、国際的な工業品規格も存在します。

ISO :International Organization for Standardization です。

余談ですが、小さな町工場が「ISO ◯◯◯◯ 認証取得」などと大きく掲げているのを見たことはありませんか?

あれは、自分たちの製品が世界規格の認証を受けられるモノづくりをやっているんだ、ということの証明のためなのです。

多くの規格は、一度承認されたとしても、毎年もしくは数年おきに見直されるため、認証を得続けるには、継続して基準をクリアしておかなければなりません。

当然、認証してもらうのにも費用もかかります。そういう力があることの主張なのですね。

 

話を戻すと、まず国際規格があり、それ受けて日本の規格が制定されているということです。

国際規格は、国際間の通商をスムーズにするために、関係各国の利害を話し合いで調整して決められるそうです。

どんな話し合いが行われるか、話し合いの主導権を握っているのは誰なのか、気になるとことですね。

 

デミング博士がラジオに携わった理由

デミング博士が来日したのは、GHQの要請があったからからだそうです。

GHQは、日本の産業復興のために、食糧と石炭の増産の次にラジオの計画生産を取り上げました。

日本の民主化のため、津々浦々までアメリカのメッセージを浸透させる手段として、ラジオを利用したかったのです。

それはアメリカ国内でも同じでした。デミング博士は統計的な手法を用いて通信の品質不良を解決してきた人物だったのです。

 

まとめ

工業製品だけでなく、世の中には様々なルールが存在します。

学校の規則、会社内のルール、法律。

誰が、何のために決めたルールなのか。ふと立ち止まって考えてみるのもいいかもしれません。

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