こんにちは、アリスです。
今日は車のシェアリングサービスを利用したトラブル体験を書きます。
働き方改革や老後2000万円問題についてメディアでも多く取り上げられ副業に目を向ける人も増えてきました。
また、ITの発達により、誰でも気軽にビジネスを始められるプラットフォームもどんどん増えてきています。
例えば、自分で作ったハンドメイド作品を売る、家の中にある不用品を売る、趣味について話した内容をYoutubeなどのSNSに投稿する、など
仲介業者に手数料を払えば(中には払う必要のないものも)好きな時に、好きなものを好きな値段で取引でき、やり方次第で大きな利益を得ることができます。
そこで私も、日頃使っていない物を誰かに貸すことで不労所得にできないかと、車のシェアリングサービスに登録しました。
ところが、思わぬトラブルに巻き込まれてしまったのです。
リピーターなら安心?
車を貸す側として仲介サイトに登録し何度か取引を行っていると過去に取引した人から依頼が来ました。いわゆるリピーターです。
リピーターは、双方にとってメリットが大きいです。過去に取引した経験があるため、安心感がありお互いに勝手がわかっていて話が早いからです。
そのリピーターは、当日車を受け取り、翌日返却する約束でした。
しかし、翌日約束の時間になっても一向に現れません。
事故や病気など何かトラブルにでも巻き込まれたのかと仲介サイトのメッセージ機能を使って連絡してみますが返信はありません。
結局1時間ほど約束の場所で待っていましたが、連絡がつかずとうとうそのまま帰宅することにしました。
翌日になっても連絡はつかず、仕方なく、エニカの運営者と共に警察署に行き事情を説明しました。
警察署へ
今回のようなケースは、犯罪かどうかの判断がつきにくいためその場で被害届は受理できないとのこと。
返却したくてもできない理由があるかもしれないからです。
捜査できるよう情報が必要とのことで、シェアサービスに登録されている運転免許証情報を、エニカから警察に提供してもらいました。
それから待つこと約3週間、警察から衝撃の事実を伝えられます。
「登録されていた免許証は偽造品でした。被害届は詐欺で受領します。」
詐欺被害
つまり、その利用者は初めから車を盗み、とんずらする予定で、下調べのために事前利用していたのです。
車のやり取りのために本人とも直接会いましたが、これといった特徴もない、地味な感じの女性でした。
(余談ですが、免許証の偽造は2〜3万円でできるそうです。)
こういう場合、警察は犯人特定のため、使用されたクレジットカード情報を辿るそうです。いつ、どこで、何を買ったか全てデータが残っているので本人を特定しやすくなるとのこと。
裏を返せばクレジットカードのリスクとも言えますよね。
法律家の意見
どうにか起死回生できないかと弁護士に今回の事象について相談しました。
(弁護士の相談料の相場は1時間5000円程度。書面の作成など伴うと別途2〜5万円必要(内容次第))
窃盗…刑法235条。占有者の意思に反してその占有を排除し、自己又は第三者の占有に移転させる行為。
横領…刑法252条。委託信頼関係に基づいて自己の占有する他人のものを領得する行為。
詐欺…刑法246条1項。人を欺いて誤信させ、財物を交付させる行為。
今回のケースはザックリ言うと、初めから返す気がなかった場合は詐欺、借りた後で返す気が無くなった場合は横領。窃盗は成立しません。
とにもかくにも刑事事件であることは確かです。が、警察は、窃盗以外は難しいので、まともに取り合ってくれないことがおおいとのこと。
そもそも犯罪パターンとして理解が難しく、捜査するのも面倒くさいし、その割に当事者同士で話し合いで解決して手柄にならなかったりするのですね。警察も人間です。根っからの正義の味方じゃないんだなとこの時学びました。
免許証偽造の真相
エニカからの後日情報によると、直近、犯人と思われる人物がカツラや眼鏡をつけて変装し別の名前で登録していることがわかったそうです。また同じ手口で犯罪を繰り返すつもりなんですね。
引き続き調査を進めていますが、犯人が特定できるかは不明。
特定できたところで、犯人に賠償を求めるには個人で裁判を起こす必要があり、ハードルは高いのです。
保険は適用される?
車には、一般的な車両保険をかけていました。
ところが、保険会社に被害を連絡すると
「サービスを利用するにあたり、規約に承諾している以上、お客様(アリス)にも過失があり自己責任の範疇となるため保険会社でそのリスクを負担することはできません。」と。
エニカ登録時の利用規約には下記のように記載されています。
「当社は、本サービスに関して、本会員同士又は本会員と第三者との間で発生した一切のトラブルについて、関知しません。したがって、これらのトラブルについては、当事者間で話し合い、訴訟などにより解決するものとします。」
この規約に同意している以上、トラブルは自己責任であり保険会社の相互扶助の範疇を超える、と判断されたわけです。
車に傷がつく程度は想定していましたが車を丸ごと盗まれるとは、正直想定外でした。
弱肉強食の世界
今回、不労所得を得ようと一歩踏み出したことで、お金は奪い合いの世界だという洗礼を浴びる結果となりました。会社というシールドもなく、個人で稼ぐならば、リスクも個人で背負わなければなりません。
性善説の成り立つ、恵まれた環境にいるとなかなか気づく機会がありませんよね。
個人間取引は、便利で気軽な反面、危険な目に遭う可能性がある。
物の被害で済んだのは不幸中の幸いでした。凶悪犯罪などに巻き込まれる可能性もゼロではなかったと思うと…。
自己責任だと理解していても実際に被害を受けると、責任を押し付けたくなる。でも誰も助けてくれないのが現実。
マイノリティを攻めれば、普通の人が遭遇しない困難に直面するのは当然です。
新しいことを始めるときには最悪の場合を想定し、リスクに対する感度も高めていかなければなりませんね。
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